Q7.カウンセラーの資格として、いろいろありますが、何が違うのですか? どうやって選んだらよいのでしょうか?
A. たくさんありますね。国家資格、学会認定資格、通信教育で得られる民間資格などさまざまありますね。大学や大学院で何年もかけて学ぶことが課せられているものもあれば、数日~数か月の通信教育で得られるものもあります。例えば、運転免許証を持っていれば、誰もが運転が上手ではないのと同じように、免許証の有無だけで判断するのは難しいものです。しかし運転免許証にも、タクシーや大型車両のように上級の技能を必要とするものもあります。カウンセラーの資格にも、そういった違いがあって、取得の大変な資格を持っているということは、一定のトレーニングを受けてきているという証ではあります。皆さんは、どんなカウンセラーに相談したいと思いますか?
もし開業のカウンセラーを選ぶとしたら、どういった資格を持っているのか、どういった研修を積んできているのかというのを、一つのポイントとしてよいと思います。私の個人的な意見となりますが、国家資格や学会認定の資格をお持ちの方は、基礎的な知識、技法、カウンセリングの適用や限界、倫理の問題についてもアカデミックな場で学んできているということを意味しますので、安心だと思います。
《臨床心理士》
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定資格です(1988年より)。文部科学省の後援を得ていますが、国家資格ではありません。設立当時、国家資格化に向けての話し合いはされていたものの、いろいろあって(心理士の携わる範囲が医療、教育、産業…と広く(当時の管轄は厚生省、文部省、労働省と複数にまたがる)、関係機関や既にある団体等との話し合いがまとまらず)、国家資格にはならなかったとのことです。現在では、スクールカウンセラーや教育センター、大学の学生相談室や幼稚園のキンダーカウンセラーなど教育関連機関、医療機関、企業内の精神保健センターや復職支援など産業領域、保健所や保健センター、児童発達支援などの福祉領域、警察や刑務所、少年院、家庭裁判所などの司法領域、被災者・被害者支援、開業臨床、自衛隊などさまざまな分野にいますので、国家資格ではなくとも社会的な認知は高くなっているものと思います。
どうやったらなれますか?ともよく尋ねられますが、指定の養成大学院を修了すると受験資格が得られるので、受験し、合格し、登録したらなることができます。2019年4月現在35,912名だそうです(日本臨床心理士会HPより(リンクの許可を得ています))。「大学院卒業」と聞くと、すごいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ごく基本的なことを2年授業や実習として学んできたということですので、卒業してすぐはまだまだひよこです。臨床心理士に限ったことではありませんが、対人援助職は、キャリア10年がやっと一人前と言われるような分野です。
《公認心理師》
2019年に誕生した心理職の国家資格(厚生労働省、文部科学省)です。
2019年9月に第1回目の試験が行われ(北海道は試験直前に大地震があり12月に延期)、合わせて28,574名が合格しました。全員が登録手続きをしてはいないようで、公認心理師数としては合格者よりは少ない人数です。
第1回目は、公布された2018年9月現在に、心理相談業務の実務経験が5年以上の人(指定の研修を新たに受けることが条件)、大学院にて指定の科目の単位を取得して修了している人(実務経験年数は関係なし)が受験資格を有していました。実務経験5年以上の方には、臨床心理士、医師、看護師、精神保健福祉士、社会福祉士(所属機関で相談業務に就いているという職務内容証明書が必要)、産業カウンセラー、臨床発達心理士、学校教員、幼稚園教諭や保育士で相談業務に当たっていた方、その他の相談員やカウンセラー等が該当しました(抜けている職種があったらごめんなさい。また調べます)。
現在は5年の移行期間を終え、公認心理士師のカリキュラムを整えた大学で必要な単位を取得し、卒業後に指定の機関にて(今のところ医療や司法の機関が挙がっている)実務経験2年以上、あるいは、カリキュラムを整えた大学院を修了することで受験資格が得られるものとなります。社会人の方で、いろいろ経験した後に、公認心理師になろうと志したら、大卒であっても心理学科卒でなければ(それもカリキュラムに対応した単位を取得していなければ)、再度、大学1年生から入学しないといけないものとなっています(編入ではダメ)。取得まで最低6年以上かかる資格となります。
*現在、国家資格であることが重要な医療の現場(医療の保険点数に関わるので)以外では、「公認心理師と臨床心理士のダブルホルダー」の人が求人でも多くあります。
《臨床発達心理士》
日本発達心理学会から始まり、現在は、一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構の認定資格。
《学校心理士》
日本教育心理学会から始まり、現在は、一般社団法人学校心理士認定運営機構・日本学校心理士会の認定資格。
《認定心理士》
公益社団法人日本心理学会の認定資格。大学で指定のカリキュラムの単位を取得し、申請によって取得。
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